「省エネや環境に配慮した家を建てたいけどパッシブデザインって何?」
「デメリットはないの?」
「パッシブデザインの具体的な設計手法にはどのようなものがあるの?」
この記事に訪れたあなたは、上記のように思っているのではないでしょうか。メリットもあれば初期費用が高くなるなどのデメリットも存在するため、正しい知識を事前に身に着けておくとよいでしょう。
今回は、具体的な設計手法にはどのようなものがあるのか、メリットとデメリットについても詳しく解説していきます。是非家づくりの参考にしてください。
パッシブデザインって何?
近年、省エネや環境に配慮した暮らしへの関心が高まっています。そんななか注目されているのが、自然のエネルギーを活用して室内の温度や湿度を快適に保つ「パッシブデザイン」です。
パッシブデザインの考え方は、1970年代の石油ショックの際に、ヨーロッパで生まれました。当時は、石油などの化石燃料に依存したエネルギーシステムが主流でしたが、石油ショックによってその脆弱性が露呈しました。そこで、自然エネルギーを活用した省エネ住宅の開発が急速に進み、パッシブデザインが確立されました。
パッシブデザインに重要なキーワード「断熱・気密・蓄熱・通風・採光」
パッシブデザインで実現する省エネと快適な住環境のために、重要なキーワードが「断熱・気密・蓄熱・通風・採光」です。
- 断熱・気密:屋内外の熱の出入りを抑えることで、冷暖房の効率を高め、光熱費を削減
- 蓄熱:太陽光や蓄熱材の熱を蓄えることで、冷暖房の使用量を抑える
- 通風:自然の風を活用することで、室内の温度や湿度を快適に保つ
- 採光:太陽の光を活用することで、照明の使用量を抑え、明るく快適な空間を演出する
上記のキーワードをバランスよく組み合わせることで、省エネと快適な住環境を実現することができます。
パッシブデザインの具体例
パッシブデザインの家は、以下の5つの要素を重視して設計されます
それぞれ解説していきます。
断熱性能
パッシブデザインの断熱とは、建物の窓や外壁などの気密性を高めることで、屋外との熱の出入りを少なくする設計手法です。断熱材を充填したり、気密シートを貼ると室内の温度を一定に保ちやすくなります。
断熱・気密を高めると、冷暖房の使用量を抑えることができ、光熱費の削減につながります。また、室内の温度や湿度の変化が緩やかになる為、快適に過ごすことができるのが利点です。
日射の遮蔽
パッシブデザインの日射遮蔽とは、夏の強い日差しを遮断することで、室内の温度上昇を抑える設計手法です。軒や庇を設置することで、窓に直接日差しが当たるのを防ぎます。
具体的には、軒や庇は、屋根から張り出して日差しを遮断することで、直接日差しが当たるのを防ぎ、室内の温度上昇を抑えることが可能です。
また、植栽などを活用すると、夏の暑さを和らげ室内の温度上昇を抑えることができ、冷房の使用量を削減できます。窓の面積を小さくすることでも、日差しの取り込みを抑えることが可能です。
自然風利用
自然風利用とは、建物に自然の風を取り込むことで、室内の温度や湿度を調整する設計手法です。自然風利用の具体的な方法として、以下が挙げられます。
- 吹き抜け
- 二重窓
- 窓の配置
吹き抜けは、建物の中心部に空気の流れを作り出すことで、室内の温度や湿度を均一に保つ効果があります。天井を高くすることで、開放感や採光性を向上させることが可能です。
また、二重窓は内側と外側に窓を設置することで、空気の層を作り、断熱効果や気密性を高められます。二重窓の外側の窓を開ければ、室内と外気の温度差を利用して、自然の風を取り込むことが可能です。
さらに、窓の配置や形状、大きさを工夫することで、風の向きや強さに合わせて自然風を取り込めます。
昼光利用
昼光利用とは、自然光を室内に取り込むことで、室内の明るさを確保し、省エネと快適な住環境を実現する設計手法です。昼光利用の具体的な方法としては、以下が挙げられます
- 多面採光
- 採光ゾーニング
- 自然光コントロール
多面採光とは、建物の複数の面から自然光を取り込むことです。多面採光を行うことで、室内の明るさを均一に保てます。
採光ゾーニングとは、建物の内部を明るいゾーンと暗いゾーンに分け、ゾーンごとに適切な採光方法を採用することです。例えば、リビングやダイニングなどの居室は明るいゾーンとし、寝室や収納などの居室は暗いゾーンとすることで、光熱費を抑えられます。
自然光コントロールとは、自然光の量や方向を調整することで、室内の明るさや快適性を向上させる方法です。ブラインドやカーテン、ルーバーなどを活用し、自然光の量を調整できます。
日射熱利用暖房
日射熱利用暖房とは、太陽の光を建物に取り込み、室内を暖める暖房方法です。日射熱利用暖房の具体的な方法として、以下のようなものが挙げられます。
- 南向きの窓を大きくする
- 日射遮蔽を行う
- 蓄熱材を活用する
南向きの窓を大きくすることで、冬の太陽の光を効率的に室内に取り込むことが可能です。また、夏の強い日差しを遮断すれば、室内の温度上昇を抑え、日射熱の利用を効率化できます。
さらに、日射熱を蓄熱材に蓄えることで、夜間や曇りの日にも暖かさを保つことが可能です。
パッシブデザインのメリット
パッシブデザインのメリットは、以下のとおりです。
それぞれ解説していきます
一年中快適に過ごせる
パッシブデザイン住宅は、室内温度や湿度のムラが少なく、一年中快適に過ごせる住宅です。
冬は太陽光で室内を暖め、夏は自然の風で室内の熱を排出することで、室温を一定に保てます。また、断熱性能が高いため、外気温の影響を受けにくく、ヒートショックなどのリスクを軽減します。
さらに、自然光を多く取り入れることで、室内が明るく、気持ちよく過ごせる空間を実現することが可能です。
光熱費が抑えられる
パッシブデザイン住宅は、高断熱・高気密の構造で、太陽光や風などの自然エネルギーを活用することで、冷暖房や照明の使用量を大幅に削減できます。
また、窓の配置や大きさ、形状などを工夫すれば、太陽光を効率的に採り入れることも可能です。これにより、年間で数万円から数十万円の光熱費を削減できると言われています。
SDGsに貢献できる
パッシブデザイン住宅はSDGsに貢献できます。その例として、光熱費の削減による経済的なメリットが挙げられます。冷暖房の使用量を削減することで、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を抑える効果があります。
冷暖房は、家庭のエネルギー消費量の約30%を占めています。そのため、パッシブデザイン住宅の普及は、気候変動の緩和に大きな効果をもたらすと言えるでしょう。
また、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量の削減による環境への配慮や、建築資材の使用量の削減による資源の節約による環境への配慮もSDGsに大きく貢献しています。
パッシブデザインのデメリット
パッシブデザインのデメリットは、以下のとおりです。
それぞれ詳しく解説していきます
建築コストが高くなる
パッシブデザイン住宅は、高断熱・高気密構造を採用することで、外気の影響を受けにくくし、自然エネルギーの熱を効果的に利用します。
そのため、断熱材の厚みを増やしたり、気密シートを施工したりするなどの工事が必要です。一般的な住宅よりも建築コストが10~20%程度高くなることに注意しましょう。
ただし、光熱費の削減や室内の快適性の向上などのメリットがあり、建築コストを回収できる期間は10~15年程度とされています。
間取り・デザインに制限がかかる
パッシブデザイン住宅は、以下の間取りやデザインが一般的です。
- 南側に大きな窓を配置し、日当たりを良くする
- 吹き抜けを設け、風通しを良くする
- 窓の配置や大きさを工夫し、熱の出入りを抑える
- 断熱材の厚みを増やし、熱の伝わりを抑える
このような間取りやデザインは、自然エネルギーの採取や高断熱・高気密構造の実現に有利です。しかし、必ずしもすべての人がこのような間取りやデザインを希望するわけではありません。
そのため、パッシブデザイン住宅を建てる際には、家族のライフスタイルや好みに合わせて、間取りやデザインを工夫することが重要です。
対応できない土地がある
パッシブデザイン住宅に対応できない土地の条件として、以下が挙げられます。
- 南側に十分な日当たりが得られない土地
- 周囲の建物や樹木によって、風通しが悪くなる土地
- 地盤が軟弱な土地
また、土地の形状によっては、パッシブデザイン住宅を建てることが難しい場合があります。例えば、細長い土地や、角地の土地などです。自然エネルギーの採取や高断熱・高気密構造の実現が難しい場合があります。
パッシブデザイン住宅を建てる際には、土地の条件を十分に考慮することが重要です。土地の条件によっては、パッシブデザインに対応できない場合があるため、その場合は、他の住宅の種類を検討する必要があるかもしれません。
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項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社森住建 |
所在地 | 岐阜県岐阜市薮田南5-6-3 |
設立年月日 | 1887年創業 |
施行エリア | 岐阜市近郊、西濃エリア |
公式サイト | https://www.mori-juken.jp/ |
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まとめ
本記事では、パッシブデザイン住宅ついて解説しました。パッシブデザイン住宅は、初期費用はかかりますが、長期的に見ると、光熱費の削減や快適性の向上など、さまざまなメリットがあります。
パッシブデザインに興味のある方は、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。また、岐阜県で家づくりを検討している方には、森住建がおすすめです。一度問い合わせてみてください。
本記事があなたのお役に立てることを願っております。